- 人類社会が農業革命、工業革命の時代を経ていわゆる情報革命の段階を迎えている。
- 情報革命は、まだ一般にニューメディア(電脳・通信)革命と同一視されている。
- しかし、これは情報革命全体から見れば前半期の姿に過ぎないであろう。
- 情報革命の本格期として情報生産技術革命と呼ぶべき変革の段階が予測される。
- つまり、メディアが充足してくると情報の中身が問われ、さらにはその生産性が問われる。
Ⅱ.情報生産技術革命
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情報生産技術革命は、その生産性の担い手がふたたび人間頭脳に移るときである。
- 端的に言い換えるならば、これは考業革命と称することができる。
- 工場・工員・加工・工具・工程・工法・着工などの工を考に換えたものが現れる。
- いわゆる知的生産物、情報加工製品が、経済価値を持った考業製品となる。
- 次世代型の研究所やシンクタンクが付加価値、影響力の源泉として登場する。
- 同時に幅広い分野で個々の企業、組織、機関、活動家は考業化への対応を迫られる。
Ⅲ.考業製品例
- 【基軸類】理念・思想・ニューパラダイム・志向・各種指針体系
- 【知見類】理論・原理・仮説・予測・推理・各種報告
- 【解決類】政策・構想・対策・企画計画・設計・提案
- 【表現類】デザイン・詩文・ネーミング・コンセプト・各種創作
- 【評価類】評価・鑑定・識別・解釈・解説・考察・講評・所見
Ⅳ.次世代型シンクタンクの構成
- 在来のいわゆるシンクタンクは、構成者の顔触れ、情報の入手力が主な要素であった。
- それらの実質は、通例いわばメモリタンク、チャネルタンクの域に留まっている。
- 次世代型では、革新された情報生産技術すなわち加考技術が中心機能を果たす。
- 具体的にはIST(Information Synthesis Technics)、問題解決学等がそれにあたる。
- 次世代型は、その技術を担うシンク・コアと呼ぶ基幹組織を中心に構成される。
Ⅴ.次世代型シンクタンクの機能
- 本格的な考業技術の所産は、従来期待できなかった新段階の品質・効果を持つようになる。
- 事業利益に直結する需要調査においては、深層マーケティングという新手法を可能にした。
- また提言の類における高水準の説得性は、貧弱案側の当初の多数を覆す現象が見られる。
- 明らかな劣等意見への固執は恥であり、その後の信頼と指示の喪失を招くからであろう。
- このことは、議論の中に英知を期待してきた民主主義の実践手続を変革する力を持ちうる。
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審議の前に採知、編案と呼ぶ情報生産過程を制度的に設置すべき点が浮上する。
- 当面は、いち早く次世代型シンクタンクを養成・起用した者が流れを制すると考えられる。