秘書学

だいぶ以前に秘書検定の問題や参考書の記述を見て、そこで求められている学習事項には省ける部分がかなりあることに気付いていました。

 

そこで、必要な部分だけ集めた実用秘書学というものをつくれば、実質を求める人には役立つであろうと考えていました。

 

 

あるとき、研究アシスタント短期養成の必要に迫られ、この実用秘書学の体系化というテーマを急遽推進しました。

 

短期という目標は二週間程度でした。

 

 

その結果、意外なことが分かりました。

 

秘書が務まるために必要な学習内容は、秘書としての動きの原則に類する要諦の部分とそれ以外の部分とにきれいに分かれること、そしてその要諦の部分は驚くほど分量が少ないということでした。

 

そして、この要諦の部分、すなわち「秘書とは何か」という骨格さえしっかりつかめが、あとは業務の現場で学んで肉付けをすることで一人前の秘書に成長できるということです。

 

手の平に乗るような小さな苗だけ持って帰れば、自分の家の庭先で育てることが出来て、やがて約束された成熟形となり、収穫をもたらすようなものです。

 

 

そこで、この整理された要諦の部分に加え、秘書に限らず仕事一般に関する基本、そして秘書がとくに携わる領域の実務知識からなるはる式秘書研修が誕生しました。(1997年)

 

その研修の所要期間は、当初の目標をはるかに超えて二日間にまでコンパクトにできたのでした。

 

 

また、この研究で分析された秘書業務のための原則は、従来一般に知られているものからさらに深く究めたものとなり、在来の秘書の概念を超える特長を備えるに至りました。

 

そのため、秘書が担当する上司もその原則について理解していることが、高機能の秘書の存在を十分に活かすことにつながります。

 

そういうわけで、はる式秘書研修は、上司と秘書が揃って受講されることをお勧めし、標準的な参加者はそのような形をとられています。

 

 

受講後の実務状況については、「動きが違う」と極めて高い評価を得ています。

 

しかも秘書自身、その仕事がすぐれて創造的な業務であることを認識して実践しますので、単に緊張して献身的に頑張るのとは違う充実感があります。