問題解決学

問題解決学とは

  • 問題解決学は、物事に最適に対処するための一般原則を解明する研究分野である。
  • TQCなどと共に普及した、俗論の流れを汲む問題解決手法とは別のものである。
  • 進化した解決原則を備えた問題解決学は、ヤマトリサーチの研究により1985年に発表された。
  • 2000年来、踏襲されてきたと見られる対処過程の基本発想の革新を含んでいる。

問題の概念

  • 問題解決学では、可能性いっぱいの将来を損なう妨げをすべて問題とする。
  • つまり、困り事としての問題だけでなく積極的な志向の実現にも対応する。
  • 実践を重ねるに連れ、重点は悪因の解消から志・使命の達成へと自然に移行する。
  • こうした意味で、何ら不満足や欠如を感じない状態にも一般的に問題は存在する。
  • また問題は確定した既成の事実ではなく、可変の現状の中に位置づけられる。

問題の分析

  • 問題の大半は、それが正しく把握された時点で、あらかた解決したも同然となる。
  • しかし、いかにも問題らしく目立つ事柄が実は核心でない場合が多く存在する。
  • 逆に、手を打つべき肝腎の問題が普通では捉えられない形で存在することも多い。
  • 問題解決学では、そうした障害を乗り越えた、漏れやズレのない問題の認識をはかる。
  • そのために必要な道具立てとして一連の新概念が導入され、説明や実践に用いられる。

基本過程

  • 取り組みの段階の刻み方に関する一般原則を示したものを「基本過程」と呼ぶ。
  • 基本過程は極めて広い分野に適用する普遍性を持ち、5つの要素段階で構成される。
  • 問題解決の過程はこの基本過程を応用して進められる典型的なものと言える。
  • 問題解決の基本過程は、指針確立問題分析方法立案態勢実現行動検証である。

問題解決過程

  • 問題解決の過程は頭脳による情報処理が主なので、工程ではなく「考程」と呼ぶ。
  • 基本過程を2層に展開して25段階に刻んだ問題解決過程を「総合考程」と呼ぶ。
  • 通常の問題解決向きに簡略化して8ステップとしたものを「標準考程」と呼ぶ。
  • また考程の展開にあたり焦点を次々ズームアップする「累進発求」の方法を用いる。

効果的実践

  • 基本の形として、考程の各局面における情報処理に情報統合技術ISTが実行される。
  • 基本過程の応用とISTの組み合わせによる相乗効果は極めて強力なものとなる。
  • そのため通例「IST問題解決研修」として組み合わせた学習を提供している。
  • ただISTはノウハウに還元できない技能の部分を含むため、初級者は疑似法で行う。