自立型研究人材への道

―意気ある若者に告ぐ―

■自立型職業人に時代の光が差す

サラリーマン指向の時代は終わった。

近代社会の日本人は、学校を出て勤めるのが当たり前という風潮に安住してきました。

 

近年はそれも極度に進み、戦後約50%であった勤め人の割合が70%にまでなったといわれます。

 

大失業時代に入り、サラリーマンが安定しているという幻想もすでに打ち砕かれています。

 

これからを生きる世代にとっては、組織にぶら下がる生き方からの脱却こそ重要な課題なのです。

 

集団的錯覚によるサラリーマン指向の時代は、もはや終わったと言えましょう。

 

「やがては青天井」という人生設計をしよう。

若者にとって、社会人としての初期に勤めを体験することは必ずしも無駄ではありません。

 

 しかし、最後まで会社の傘の下にしがみつこうという一種の寄生虫的願望は通用しなくなります。

 

同じ職場でも、将来自立を望む人は、万事に積極的で、勉強の機会を捉えて伸びようとします。

 

ぶら下がり指向の人は逆に消極的で困難を避け、自分が成長する努力すら惜しみます。

 

そして、ますます狭い組織の中でしか通用しないようになっていきます。

 

人と生まれたうえは、やがては直接に天をいただく青天井の独立自由人を目指したいものです。

 

自立人が歴史の扉を開く。

折しも人類社会は大きな歴史の節目にあり、あらゆる方面で大転換が起こる時代に臨んでいます。

 

歴史上の転換期にはいつも、組織に組み込まれない自由人が大きな力となって貢献してきました。

 

このような時代には、自立しつつ連帯して世のために活躍する時代の志士が求められます。

 

人格的、職業的、思考的に自立した人材こそが、歴史の扉を開き、完全燃焼の人生を全うします。

 

私たちは、人類社会の試練克服に役立とうとする、志のある若者との出会いを求めています。

■研究人材の時代が来る

根本的な革新の嵐が産業界を襲う。

日本は1970年代のドルショック以来、世界でも極めて生産コストの高い特別な地域となりました。

 

そのため多くの事業分野で、国内向け製品ですら海外で生産して輸入せざるを得なくなりました。

 

国内での立地を維持するには、原則的には日本でしかできないものを扱うしかありません。

 

企業は、取り立てて失敗しなくても、陳腐であるというだけで生命力を失う時代に入りました。

 

産業界の幅広い分野にわたって、脱皮革新か消滅かという容赦のない淘汰の時代を迎えたのです。

 

淘汰の分かれ目が研究体質である。

国内の産業の生きる道は、海外や他社では真似のできない特別の長所のある生産を行うことです。

 

求められていて、自社でのみ生産可能であれば、それは値下げ競争のない商品となります。

 

頑張って働くことでは追いつかない高い付加価値を実現した企業が生き残れるということです。

 

そして、高付加価値への正道は企業が常に先端の積み重ねを続けるよう研究を怠らないことです。

 

企業は研究体質を持つか否かが、存続か消滅かを決定づける大きな要因になってきたのです。

 

生産性の高い研究への革新が求められる。

その研究もできるだけ低コストで確実に成果の上がる、生産性の高いものにする必要があります。

 

 これまでの研究は、すぐ役に立つことは気にせず、沢山お金を使うというイメージが一般的です。

 

そのため、中小企業や資金に余裕のない企業には現実性のない選択肢のように思われてきました。

 

また、そのイメージの通りの研究部門の振る舞いが多く横行してきたことも事実でありましょう。

 

企業存亡の鍵を握る研究の部門において、まず先駆けて脱皮革新が要求される状況にあります。

■研究のあり方が変わる

これまでの研究部門は非能率だった。

従来型の研究部門が、本来上がるべき生産性を上げていないと、どうして分かるのでしょうか。

 

主な原因の一つに研究領域の狭枠固定化の指向があり、そのタイプを領域型の研究と呼びます。

 

これは、ある種の閉じこもり現象、専門外は対象外として拒む研究態度を併発します。

 

それと対照的な目的型の研究では、必要に応じあらゆる方面に研究活動の手を伸ばします。

 

これまでの大抵の研究者は、特定の知識分野の専門家であり、研究には素人であったと言えます。

 

次世代型の研究のあり方が解明された。

研究者は、教科書のない未知の分野で活動するため、勉強秀才とは違った能力が要求されます。

 

よく学び憶えた人を学者と呼ぶならば、研究者はよく調べ考える人と言うことができます。

 

研究についての研究が進められた結果、研究活動の生産性を高める原則が新たに解明されました。

 

そして、研究の専門家を養成する方法、研究部門の運営方法にも新たな指針が生まれています。

 

時代の大きな転換期である今日、研究の世界においても新時代の光が見えてきたわけです。

 

費用に対する結果の水準が飛躍し、企業における研究体質の実現は格段に可能性を高めたのです。

 

次世代型研究の担い手が求められている。

研究への道が開けたところに、当然求められるのは、この次世代型の研究活動を担う人材です。

 

これから企業の自覚が進むにつれ、研究従事者の需要は非常に高まっていくことが予測されます。

 

この社会的要求は、今は潜在的であっても、やがて大きなポリウムをもって浮かび上がります。

 

若者が就職する時期に人気の分野が、その働き盛りの頃には見る影もないのはよくあることです。

 

その点、次世代型研究の分野は、これから必要性が切実になり人材が求められることになります。

■自立型研究人材を目指そう

研究活動には自立型の人材が適している。

いわゆる賃仕事を越えた情熱と心血を注いでこそ、特に成果のあがる仕事の典型が研究です。

 

その面で、研究に従事する人材も、勤め人よりも独立自営で携わる人の方が適しているのです。

 

具体的には、独立した研究人材が必要に応じてチームを編成し、要請された研究にあたる形です。

 

分野を限らず、本当に良い仕事をする名匠・達人は、多くが個人で独立自営の形をとっています。

 

みずからを組織という温室の内に置かないことが、仕事ぶりを研ぎ澄まし、成長をもたらします。

 

自立人材ネットワークからのプロジェクトチームという方式は今後さらに一般化するでしょう。

 

情報生産技術者は社会の宝。

いわゆる情報革命は、その前半がニューメディア革命、後半は情報生産技術革命と考えられます。

 

情報生産とは、たとえば原料を製品にするように、素材情報から価値の高い情報を生む営みです。

 

研究は、未来の常識となる新知識を生みだす活動であり、まさに情報生産にほかなりません。

 

だからこそ、情報生産技術革命に相伴って、研究の世界での革命的な飛躍が期待されるのです。

 

情報生産に基幹的役割を果たす新技術はすでに開発されており、活用される出番を待っています。

 

いち早くこれを学んで活躍する人は、世の中に計り知れない貢献をし、社会の宝ともなります。

 

起業留学に挑戦しよう。

自立型研究人材への近道は、自立の能力を養い、また情報生産技術を学べる環境に入ることです。

 

たとえば、無料自己派遣の形で新時代の経営を実践している経営者の秘書を務める形があります。

 

起業自立を目指して経営を学ぶために寄留するという意味から起業留学と呼ばれる研修方式です。

 

その間に、情報生産技術をはじめ有用な各種の研修プログラムを知り、勉強することができます。

 

就職のための学校に見切りをつけ、そのかわりに時間と費用をかけても十分価値があるはずです。

 

もしあなたの心が、そこに可能性を感じるなら、悔いのない早さで行動を起こしましょう。