「シロアリズム」という言葉が誕生したのは先々月、五月の二十六日ですが、この傾向に染まっている人々を「シロアリスト」と言います。
厳密な定義はこれからとして、大筋としては、「シロアリスト」に該当する人たちというのは、極めて利己的であると同時に、社会的共有資産の、私物化、浪費化の悪影響が著しく、さらにそれを合理化してしまおうとする人々のことです。
国富の流れにタッチできるようなポジションを指向し、いつのまにか合法的にちゃっかりと私腹を肥やしたり、あらぬことに国富を費やします。
社会全体の視野で見れば、あきらかに生産よりも消費が過大であり、みんなが汗水垂らして生産した蓄積を無駄遣いし食い潰す輩です。
国家を「家」にたとえると、「シロアリスト」たちの行動は、家を食い荒らし、倒壊に追い込む白蟻に極めて類似したものがある点がネーミングの由来です。
「シロアリズム」の主義を要約すると「 楽をして 体裁もよく 甘い汁 」とでも言えるでしょう。
この概念を提起したのは、現存のシロアリストを摘発糾弾することへの関心よりも、新生日本建設の際に、いかにして白蟻がつかないような家にするかということへの強い関心からです。
おそらく「シロアリスト」の発生は、多くの国やコミュニティで繰り返されてきたはずです。
実際の白蟻もそうですが、発生してから駆除するのは、予防に比べてはるかに大変です。
そういえば、『日暮硯』の中では、恩田杢は藩内のシロアリストとなっていた汚職役人集団を改心させ善用したのですから、大したものです。
すると、やっぱり答えは「和道」周辺にあるのかなと思われます。
現役シロアリストで、その生態に詳しい人が誰か改心して、防除のヒントを提言してくれないでしょうか。
(旧メッセージナウ2005年07月17日記事より)
コメントをお書きください