性善説と性悪説  2005.8/2

「性善説と性悪説ではどちらが正しいか」と一度は考えたことのある人が多いかと思います。

これは拙著『心の自立』でも触れていますが、「虚論」の中の「空論」にあたる論です。

それらには客観的な決着というものがないので、議論に勝つこともないが負けることもありません。

意地になって大激論となり、決闘にまで及んでも、何ら解決はありません。

こうした虚論にあえて「答え」を出し、「偉い!」とか「深い!」とか感じさせることで、一歩誘い込むというのは汚染的思想団体の「手口」の一つです。

虚論には空論のほかに、無論、情論、超論、暴論と呼ぶ種類のものがありますが、その一片の知識・理解があるだけで、染脳型の運動の魔の手を逃れられることがあるのです。

そうした予防効果のある、また自分の考えのチェックにも役立つ基礎的教養を学べるようにしたのが、通称「思想のワクチン」と呼んでいるプログラムです。

私が大学に入ったころ同郷の友人があっという間に極左的グループに誘われるのを見て、これは困ったものだと思い、言語、論理、真理、意味、思想、行動、思考・・といった事柄の周辺の書物を次々熟読消化し、「いつの日か思想のワクチンを作る!」と心に決めて、ほんの少しずつ研究を積み重ねて独自に体系化し、思い立ってから数えると三十年近く経ってようやくできたものです。

こうしたものは、あまりに広まっても、汚染側の対抗を招きかねないので、こうしたページを訪れるような特別な方にお伝えする程度にしていますが、年に一回くらいは講座を開けたらいいなと思っています。

(旧メッセージナウ2005年8月3日記事より)