秘書学が役立つ場  2005.8/3

研究を経て独自に体系化したものの一つに実用秘書学(大和秘書学)があります。

この秘書学では「環境型秘書」という概念を明確に打ち出している点が特色ですが、秘書の職務以外にも、このコンセプトで対処すると極めて有効な領域が色々とあることがわかってきました。


まず料亭の女将や仲居さんの接客教育にどうかという話から、実際に受講された事例ができました。

つまり接客のあるところ全般において役に立つということです。


このことは、たとえば営業マンが客先に対する関わりをどうもつかという場合にも活かすことが出来ますし、秘書と呼ばれない部下であっても上司への有効なサポートはどうあるべきかを考える指針として広く応用できます。


上司と部下という関係ではないけれども、妻が夫を支える役割を果たすときも、秘書の行動原則の心得があればどんなにかスムーズに効果的な支援ができることでしょう(ただし妻と秘書の役割は兼ねにくい) 。


介護の場では、「環境型秘書」の発想をかなりストレートに応用する形で、革新的とも言える介護のあり方が芽生えています。


アシスタント、パートナー、マネージャ、内弟子、世話役、家政婦、付き人、システム開発者といった、あきらかに秘書とは異なる立場であっても、秘書が気を利かせるのと同様によく気がつくとすれば、とても具合の良いことが多いに違いありません。


ある秘書検定受検の参考書には、秘書は気が利くことが大切である、と書いてありましたが、どうすれば気が利くのかは書いてありませんでした。

大和秘書学は、まさにその「気が利くための原則」を解明し凝縮したものと言えます。


そういうわけで、確かに「秘書」という職務に焦点は合わせていますが、その特定の職務に限った有効性ではなくむしろ幅広い仕事、役割、立場に欠かせない基本のところを確実に身に付ける機会を提供している研修とも言えるのです。


(旧メッセージナウ2005年8月5日記事より)