「経営免許」と「社長ゲーム」(その1) 2005.12/16

「経営免許講座」の骨格が見定められたときの感慨は、幾度となく思い出されることの一つです。


企業などの事業体を自動車に見立て、運転にあたる行為を経営とすると、運転免許のための習得事項の二大分野は、言うまでもなく実技と学課といわれる両分野です。


経営の場合も、理論などの知識、理解を内容とする分野と、次々進展する状況の中でバランスの取れた選択を続けていく感覚、判断力を要素とする分野があることが最終的に浮かび上がってきたのです。


前者は教科書で学ぶことができ、学課に当たります。

後者は適切な経験を積むことで磨いてゆく必要があり、実技に当たります。


以前から原則に適わない経営を無免許運転にたとえてきてはいましたが、経営免許の資格にあたる習得事項も自動車の免許と同様の構造をなしていたことに、改めて深く納得しました。


同時に、この経営能力は、本を読むだけ、講義を聞くだけでは完成されないことが明らかになったわけで、厄介な話になったかなという感想もあったように思います。


学課に当たる部分の柱は問題解決学(適動工学)の原則を応用したトータルプロセスデザイン(TPD)が極めて有効なことは分かっていましたが、実技に当たる部分はどのように習得すればよいのか、またそれができる環境をどのように提供すればよいのか、果てしない課題の山が眼前に広がったかのようでした。


(旧メッセージナウ2005年12月18日記事より)