「経営免許」と「社長ゲーム」(その2)2005.12/18

そのときフッと閃いたのが「社長ゲーム」です。

これは先年依頼を受けて開発してきたオリジナルの経営シミュレーションゲームです。

これは決してゆくゆく経営免許の講座に組み込もうというような意図で作ったものではなかったのですが、このゲームを繰り返し行うことにより、事業体のかじ取りの感覚が培われて、自覚や実感を大きく変化させる効果があることは分かっていました。


これが使えるとなると、うますぎるくらい都合のよい話だが、果たして本当に経営免許のための課題として利用できるのか、問題はないと言えるのか、検討にかかりました。


そうした中で、認識を新たにしたことがあります。

その一つは「型」の有効性です。


今は見かけませんが、昔は剣術の流派の中に、打ち合い稽古をせず一連の動きからなる型だけで教えるものがあって、それでも名人上手になるまで上達することができ、戦場でも強かったという話を聞いたことがあります。


そう言われてみれば、身に付いた型を繰り出すだけで、半ば自動的に人を切る形となり、かえって躊躇などがなく、結果として相当な腕前となったということは、ありえます。


過去実際に人を切ったことがなくても戦場で強かった剣士のように、よく考慮された経営ゲームは、実務に役立つある種の感覚と処理機能を養うことができるのです。


「社長ゲーム」は、一般のゲームが基本構造として対戦モデルを採っているのに対し、誰に勝とうとするのでもなく、市場の中でただ自社を活かしていくことをシミュレートできる、いわば自然状態に近い条件の環境を提供しています。

もちろん他のプレイヤーを商売敵扱いにして勝とうとする経営をするのも本人の勝手というものです。


(旧メッセージナウ2005年12月20日記事より)