国際連帯機構と採知型議事 2006.1/5

歴史の大転換期を越えて再出発する国際社会には、現在の国連の延長ではない新たな中心的国際機関が誕生することになると思われます。


その役割と名称についても長らく懸案でしたが、今は「国際連帯機構」というものを提言します。


つまり地球上の国々や民族の連帯の拡充を主な役割とし、それによって世界の平和を堅固に保つための国際公共機関です。


自立連帯は和道の基本的眼目ですから、和道的国際秩序の番人としての側面も持つことになります。


究極的には世界政府という形だろうという論もあるでしょうが、異質共存のままで相互に独立性を尊重し、かつ互恵関係を築いて連帯する構図に、より進歩的・成熟的な姿があると考えます。


その意味で、世界は現状よりもはるかに多くの独立国の集合体へと再編成されるべき状況にあります。

とくに征服支配路線で「統一」されてきた地域などでは、大抵は解放独立、建国への流れが渇望されています。

その動きが阻害されているところに対しての支援も、国際連帯機構の役割となるでしょう。


この機関の運営面では、まず議事に関して採知型を採用すべきことがあげられます。

つまり、集団としての選択決定にあたって、欠知採決を徹底して回避する作法を浸透させ、世界の手本となる必要があります。


議院では、選出母体に由来する自分の立場と都合しか頭にない議員がいくら議論しても英知的な政策や法案が生まれるはずもありません。

そのような中で、行政官僚が代行作成した法案を形ばかりに近い浅い議論で時間切れ多数決で通してきた弊害は恐ろしいものがあります。


調べ、考えれば「答え」にたどり着ける事柄まで、短絡的に多数決に持ち込んではならないと言うのが採知型議事実践の精神であり原則です。


そこをしっかりやれば、重要点に関してはほとんど根拠のある「答え」で案が構成され、残った部分は大概どちらに決まろうと大した問題のない、好みで決めればよいような要素になります。

その段階ではじめて、数で決めるという手っ取り早い方法が容認されます。


採知型の方法を採ることが欠知多数決の弊害を防止する道であり、将来の国会には立法府内に「考務局」が設置されるべきだというのが、新生日本の青写真の一端ですが、当然、国際機関においても同じ理由でそのことが言えるのです。


(旧メッセージナウ2006年1月12日記事より)