できるハイパーインフレ対策(その1) 2006.1/12

ハイパーインフレが避けられない雲行きの中でも、多くのビジネス関係者は、まさかそこまでは行くまいという見方を通したがります。

もし、そうなった場合、「お手上げ」だからです。


「最悪(万一)の場合に備える」ことの必要性は理解しているものの、あまりにも根底的な社会環境の崩壊に関しては思考停止してしまうのでしょうか。


事業や生活が無事では済まないにしても、多少なりとも助かるような事前の対処というものがあるはずではないでしょうか。


まず、ハイパーインフレが起こると、政府は高額紙幣を強制的に預金させたうえで封鎖し、生活費だけの払い戻しに制限しますので、モノに替えておくことや臨時の出費に貯えを使うことができなくなります。


たとえば、猛烈に値上がりした卓上ガスコンロのカセットボンベを、せめてたった五本でも買っておけばよかった、みたいな後悔を随所でするものと思われますが、それらは今なら容易にできることです。


タンス預金で隠し持っておけばよいではないかと思うかも知れませんが、期限以後は新札もしくは印のある紙幣しか使えなくなることも予告されますので、使えなくなるよりはましかと考えて全て預けることになります。


これに対しては小銭作戦があります。

できるだけ多くの現金を小額紙幣または硬貨にくずしておくのです。

硬貨を入れる器を作っておいて、釣り銭などで日々発生する硬貨を貯めていく位のことは、やろうとおもえばすぐにできます。

このお金は、カセットボンベなり何なりの購入に使えるわけです。


もちろん、このお金の価値もどんどん下がって行きますから、この作戦の役割は短期間のものです。


ちなみに、戦後のケースでは封鎖された預金は、インフレが進んでさんざん価値がなくなったころに、三分の一を財産税として取られた上で封鎖解除になったようです。(続く)


(旧メッセージナウ2006年1月13日記事より)