できるハイパーインフレ対策(その3) 2006.1/14

ハイパーインフレは言うまでもなく貨幣価値が急激に下がることであり、販売価格は急激に上昇します。

しかし、それはモノと貨幣の関係の急速な変更であって、モノ同士の価値の大小関係は基本的には変わらないわけです。


そこで、モノによる裏付けのある代替通貨に換えておけば、資産の全面保全とまでは行かないとしても、ある程度の期間生活を維持する程度の留保をしながら、その通貨を使って必要なモノの購入をすることができます。

そのような都合の良いものがあるのでしょうか。


私が開発し提言しているのは、ハートマネーという共同体通貨の仕組みです。

地域通貨というものはある程度知られるようになりましたが、ハイパーインフレに対応できるシステムになっているものはどうも見かけません。

また我々は地域というよりは全国にまたがり、理念的なつながりを軸とするネットワークにより深く関わっているので、「共同体通貨」としています。


モノと結びついた兌換型の通貨は、何より慌てて使わなくてよいことが、ハイパーインフレの中では際立った特色となります。


一般通貨は逆に早く使わないと価値が下がるので、人々はとりあえずモノを買って使ってしまおうとします。

その結果、余計に物価が上がるだけでなく、人々の手元には現金が乏しく、後で本当に買わなければならないモノ、お金で解決しなければならない状況ができたときに、貯えを使って対処したくてもできないという状況に陥りやすいことになります。


このように、ここかしこに悲劇や不幸を生みだしながら、国民の犠牲による失政の尻拭いをするのがハイパーインフレの姿です。


以上、我々にもできるハイパーインフレ対策を振り返ってみると、

 一、小銭作戦
 二、安心米
 三、共同体通貨

少なくともこれだけはあります。

それにしても、危機感のない人、というより「厳実認知」のできない人は、親切に教えてあげようとしても受け付けないものです。
(終わり)


(旧メッセージナウ2006年1月21日記事より)