納税の季節(つづき1) 2006.3/12

納税申告の煩わしい作業が毎年例外なく繰り返されるというのは相当に辛いことですが、投げ出すわけにもいきません。

ともかく作業を進める中で、もしこうしておいたら来期の納税作業はもっと楽にできるはずだという改良点を思いつくこともたびたびです。


ところが、そのアイデアを実行するための具体的手段・ツールなどの開発に手数を割くなり余計なことをすると、当面の作業がますます進まなくなります。

つまり、新しいやり方を考えて仕掛けをつくり試すより、旧来の面倒なやり方でもそのまま実行するほうが明らかに早く済むという場合が多々あります。


そんなときでも、あえて先々のために改良を加えたやり方を開発しながら今年の申告のための処理をするということを積み重ねて来ました。

恐らく一度として前年と同じやり方で済ませたことはないと思います。

研究者魂の一端と自認するところです。


すると、一年ごとの進歩はたとえわずかでも、長い間には大きな積み重ねとなり、様変わりとも言える変化を遂げてくるものです。


地味な改良でも、それが前年にできていることによって、さらなる改良を企てる気力が支えられるという経験を何度もしてきました。


最近の目立ったところでは、収入や経費で月別集計のほかに同じデータから相手先別集計、科目別集計といった表を作らなければならないために、以前は打ち込んだデータを○○別という条件で並べ替えを掛けて、区切りごとの合計を出していたのを、並べ替えをしなくても自由な順序で打ち込んだだけで月別表も○○別表も併せて出るようにするという工夫ができたので、集計が済んでから追加の領収証が一枚また一枚と見つかったりすると、その度に、それを組み込んで並べ替え・再集計を繰り返すための手数がかかっていたのが必要なくなるという、私にとっては誠にめでたい、当初は夢にも見なかった形への進歩がありました。

ここまでくると、総勘定元帳さえできていれば、所要時間の大部分は、処理作業というより点検や修正、メンテナンスとなり、初期の頃とは雲泥の違いです。


その進歩に先だっては、並べ替えた後に区切り毎に合計を出すステップを踏まなくても、並べ替えが終わった途端に区切り毎の合計数値が出ているという改良があり、これも内心悦に入って使っていました。

つまり、あるときから改良の成果を心地よく味わいながら、ありがたく作業する部分が増えていったのです。


そして、最近のある時期には、煩わしさのマイナスと、心地よさのプラスが拮抗の域に入り、納税の季節がほとんど苦にならないところまで漕ぎ着けつつあることに気がつきました。


このまま行くと、いつかは逆転して納税申告手続が楽しみになるところまでたどりついて、「納税マニア」などと自称したりするようになるのではあるまいかと、期待のような心配のような心持ちの昨今です。(つづく)


(旧メッセージナウ2006年3月15日記事より)