意思決定器 2006.3/29

学生の頃、ついつい迷って機を逃すことが幾度かあって、これではいけないと考え、「意思決定器」というものを作りました。


大層な命名のわりには、空のインクビンの中に小さなサイコロを封入しただけのものですが、小さな紙が貼ってあり、「1,2N.G 3,4O. 5,6G.」と書いてあります。

N.GはNot Go(やめとけ)、G.はGo(やれ)、中間は保留再考の意味です。


これを使って、迷っても仕方がないことで、グズグスしていると選択の余地が狭くなってしまうような場合に早く決断するために、結構使っていました。


中でも「保留」が出たときは、それに意味があるものとして一考するようにしたことが、後々の判断力養成に役立ったように思います。


ときには、ちょっと考えたら何らかの明らかな結論が待っていたということもあります。


基本的にどちらでもよいことが分かっている(テキトーでよい)場合に使うわけですが、一旦保留によって、今考えているどちらも実は余り良い形ではないという改善の余地に気が付くこともあります。


「まだ決めるな」というメッセージとしてみると、それなりに感心するような示唆となり、合点がゆくこともあります。


このように単純にどちらということでは尽くされない色々なケースに気が付くことにより、思考の対応性が深くなっていくような変化を体験しました。


「どちらでもない」の中に沢山の宝があるというのが実感で今もそのように思っています。


したがって、ある時期から必ず「Aか、Bか、どちらでもないか」という三択を基本として考えるようになりました。

少なくとも答えの帰趨が明白でないときには、「いずれでもないかもしれない」という可能性をチェックするようになりました。
(つづく)


(旧メッセージナウ2006年4月2日記事より)