地味な超確率現象 2006.5/19

四月始めに福岡経由で空路新潟に行くため新幹線で博多に向かう途中、新幹線が止まってしまいました。


厚狭・新下関間で停電のためというアナウンスから始まり、原因を調査中、架線に倒木が掛ったという原因の説明、現地に向かいつつあるという報告、到着予定と除去作業の所要時間の情報、・・・と段々様子は伝わるものの、なかなか動きません。

普通空港には一時間ばかりの余裕をもって到着するようにしていますが、その余裕が潰れてゆく中、とりあえず携帯で航空会社と話をしなければと思い、車中から電話をかけましたが、恐らく一斉に掛けているせいで、つながっても音声案内で待たされ続けます。

そこで自宅に電話して家の電話から問い合わせてみるよう家内に連絡しました。

同じ待たされても固定電話は電池切れの心配がないし、受話器を持たず用事をしながら応答をモニタすることが出来るので有利です。

その結果、家内の方で通話が出来、交通機関の遅れによる乗り遅れは「遅延証明」を受け取っておけば便の変更に応じて貰えることが確認できました。


結果として70分くらいの遅れで動き出しました。

飛行機の出発も遅れるということはありうるので、諦めるには微妙なタイミングです。

大急ぎで地下鉄に乗り、転ばない程度に速足でカウンターに行きましたが、やはり飛行機は出た後でした。


そうとなれば、あとはまず翌日の朝の便の予約と宿の手配です。

福岡―新潟は一日に朝夕二便しかなく、おまけに朝の便は早くて七時出発です。

今回はそれが幸いして、翌朝の便に変わっても、朝十時の開始時刻に間に合うことが出来、その面では何ら支障はありませんでした。


宿は空港の案内所のリストにあるホテルを利用すると料金が格安であることも今回経験して知りました。

その日はさらに日曜割引が加わって、これでもかという安さでした。


その晩は福岡市内でフリーの時間が出来たので、連絡を取ってある方とお会いしました。

それは単に空き時間を埋めたというよりも、もともと福岡経由にしたのは、空港での待ち時間を絡めてそうした面会に利用する含みがあり、過去幾度もそのようにしてきました。

しかし今回は何となく事前に連絡せず待ち合わせもしていませんでした。


もし怠りなく打ち合わせをして待ってもらっていたら、時間の無駄を強いることになっていたでしょうし、その上でさらに夜に時間を取ることなど難しかったろうと思います。

これら、新幹線の遅れが避けられないものとしたとき、あたかもそれに合わせるかのように、そのほかの事柄が何もかもと言っても良いほど好都合に組み立っていたことになります。


単独でも目立つ派手な奇跡的出来事と違って、こういう集合的な「有り難い」出来事というのは、落ち着いてよく噛みしめないと見逃してしまいがちです。

しかし、確率的には奇蹟にも劣らない「超確率」が介在していることを見ると、何者かに守られているというふうに考えざるを得ない場合がしばしばあります。


(旧メッセージナウ2006年6月2日記事より)