しつけの三原則 2007.6/13

哲学者で教育者の森信三先生は、しつけの三大原則として、次のことを挙げています。


1.あいさつ

2.返事

3.ハキモノをそろえる


一見きわめて平凡なあたりまえすぎることとして受け取られがちですが、森先生はこの三箇条こそ、人間として最も基本的な在り方を示す根本的基盤として力説しています。


このことを十歳までに無意識にできるまで染み込ませたら親の役割の90%は済んだと言えるくらい大事だとも語られたそうです。


このことを最近改めて確認し、研究途上の育子要目の観点から見直してみると、見くびりがたいどころか、唸らされるものがあります。


われわれは、こうした具体的な提示に対しては何となく軽く見がちですが、核心を捉えつつ決して具体性(実践性)を失わない示し方は森信三哲学の特色です。


注意すべきは「十歳まで」という部分です。

このころをすぎると、しつけではなく説得の段階に入り、仮に二、三のことの習慣化に成功したとしても、「うまれそだち」全体のグレードを変えるほどのものにはなりにくいと思われます。


そこで、目下幼児期の子弟を養育中の皆様に時を逃さず応用していただけるよう、育子要目に先立って「速報」の扱いで、しつけの三原則をお届けしたいと思います。


ただ、三番目の項目は、「ととのえ」全般に拡大してまとめました。

このしつけに成功すれば、子供が親になった時には自然に自分がされたようなしつけをあなたの孫にしていくのではないでしょうか。


1.あいさつ
朝のあいさつをはじめ、様々な時に臨んで適切なあいさつができ、お礼も言える。

2.へんじ
「はい」の返事のほか、聞かれたことに真っすぐでではっきりした受け答えができる。

3.ととのえ
脱いだハキモノをそろえ、席を立ってイスを入れるなど、物の乱れをなくすことができる。


(旧メッセージナウ2007年6月27日記事より)