質問の心得 2007.8/29

自由な歓談の場でも、時折出合う質問の中に、慎んだほうがよいのではと思えるものがあります。

年来の感想から心得として挙げてみます。


 1.考えたら判ることを試しに聞いてみるような質問はしない。
【無駄質問】

 2.貴重な情報をタダで言わせようとするような質問はしない。
【物乞質問】

 3.勝手に思い付いた線引きの当否を問うような質問はしない。
【分極質問】


意味の判らない質問、時間つぶしのような質問、質問の体裁で主張を述べるような質問は論外です。


とくに厄介ものは三番目の「分極質問」です。


「AはBなんでしょうか?」

「Aはそうなんでしょうか(違うんでしょうか)?」

といった、分極思考に誘導して断定を期待しているかのような質問に対する答えは決まっています。

それは、

「そういう場合もあろうし、そうでない場合もあるだろう」

というものです。


質問というものは、その段階まで質問者が考えてきたこと、たとえば

「どちらかであるはずだ」

といった、ほとんどのケースで間違いであるような情報を相手に押し付ける場合があり、土足で座敷に上がって泥で汚すように、他人の思考回路にゴミを投げ込むことになりかねないことを知ることが必要です。


それを受ける側は当然迷惑不快ですし、平気でそのようなことをする人となりにも問題を感じじてしまいます。

見た目に礼儀正しくとも奥底では傲慢なことをしている可能性があります。


もちろん、真剣な模索のための質問が、無遠慮になってしまうことはあるにしても、その真剣さは空気で伝わるもので、不快なものにはなりません。


ともあれ、質問する前に

「どちらなのか判らないということは、どちらでもないからこそではないか?」

と自問自答してみることはお勧めできます。


(旧メッセージナウ2007年9月4日記事より)