意志決定器   2007.9/18

我が家には「意志決定器」と名付けたモノが一つあります。


学生のときに作ったもので、作った頃はしょっちゅう使っていました。


決して大層なことをする装置ではなく、空のインク瓶にサイコロを一つ入れてフタをしただけのものです。


四角いビンの底には、1,2…中止 3,4…保留 5,6…実行 を示す紙が貼ってあります。


一種のおみくじのようなもので、何かに迷ってしまって、決められない膠着状態に陥ったときに使用します。


世の中には、いずれにせよ早く決めることが肝腎という場面があるものですが、そのとき自分の判断力を越えているという気がして、ぐずぐず迷っているうちに事態が悪化したり機会を逃すということがありがちです。


そんな経験から作ったもので、もし決めるのなら全人的決意でないといけないという教訓を得る元にもなったものです。


とくに 3,4…保留 がでたときが勉強になったと思います。

実際に、単純にどちらかに決める結果が出なくて良かったことも多いからです。

いま思いつくケースを列挙してみると、下記のようになります。


A.今どちらかに決めるべきという前提が正しくない。

 A-1.どちらかを少し修正すれば可。

 A-2.中間的なある選択が最善である。

 A-3.全く違う第三の選択が解決性を持つ。

 A-4.ここではどちらにも決めないのがよい。

 A-5.この決定より別のことが分かれ目になる。

 A-6.あることの動きを待ってから決めるのがよい。


B.きちんと考えたら判って決められる問題である。

 B-1.どちらに決めても構わないというのが事実だ。

 B-2.ある情報を確かめれば決まってくる。

 B-3.多少精密に比べると明らかな価値の差がある。

 B-4.問題解決の手順で処理すればおのずと浮かぶ。

 B-5.実行すべきだが急がなければ逆効果になる。


使命の自覚ができてからは、ものに迷うということはほとんどなくなり、この意思決定器も紛失状態にありましたが、あるきっかけで見付かっていて、久しぶりに使ったのは、二ヶ月先の飛行機の予約を遅めの便にするか、一つ早い便にするか、どちらでもよいが明らかな結論が出ない時でした。

このとき「保留」が出たので考え直すと、「B-3.多少精密に比べると明らかな価値の差がある。」のケースでした。


意思決定器の「保留」反応は、あたかも「今頃俺を使うのか」というメッセージのようにも受け取れました。


(旧メッセージナウ2007年9月18日記事より)