いよいよ始まった“終わり”  2009.1/28

この度の世界経済の同時縮小は、大量消費経済連鎖の急停止によるもので、いわゆる景気の浮き沈みのような波動性のものではありません。

しかも無理な延長の末の破局ですから、そのツケの到来は過酷を極めるはずです。

しばらく我慢すれば緩和されてやがて元に戻るのではなく、これまでの社会が終末を迎え、全く新しい社会に突入していくものと捉えるのが妥当でありましょう。


これに伴う深刻な問題は、

「食べていくための仕事」

が世界から大量に失われることです。


現代社会においてはもともと、

「労働力=生産力」

という昔ながらの図式の成り立つ社会構造が、かなり変移してきており、労働・職能の交換価値は相対的に下がってきています。

そこにこの経済崩潰ですから、古い考えの延長で景気対策や雇用対策を試みても、所詮焼け石に水で、解決には到底つながらないでありましょう。


食えない人たちが溢れかえる社会に対して国家レベルで為す術(すべ)はと問われれば、まず一つは農業の姿を大転換して

「自作自給の民(自産階層)」

を育成し、ここに経済難民を吸収することが挙げられます。
(国民皆農)


次に既存事業の延命支援や新事業の奨励といったレベルではなく、産業単位での創出つまり新産業の振興育成があります。

そこにはじめてまとまった雇用も生み出されます。

有望な新産業に関してはすでに研究済みです。
(産業創造)


とくに日本は新たな価値の源泉を創るための「目的型研究」を振興し、研究立国を通じて世界に役立つことが望まれます。


また国政による支援や推進が期待しにくい生活防衛策としては、企業体の成員と家族を含めた自治共同体化や、理念を共にする広域の共同体の設立、とくにハイパーインフレに備えての共同体通貨システムも準備しておくべきでありましょう。


旧秩序の終焉は自滅的に進んでいくので、壊す活動はあまり要らないようです。

新社会建設期の準備を整えて、行動の時期を見極めていくべき時です。


(旧メッセージナウ2009年1月28日記事より)