スーパーシンクタンク(その1)  2009.10/29

シンクタンク(think tank)は、一般に諸分野に関する政策の立案・提言を主たる業務とする研究機関とされます。


個別の名称としては「○○研究所」となっていることも多いのですが、いわゆる研究部門が主として新知識の生成を役割とするのに対し、シンクタンクは、固有名のある事業体のための大局策の立案と提言、またその材料となる将来予測等が期待されることが多いと考えればイメージを持つ助けになりましょうか。

ちなみに中国語では智嚢班子(知恵袋スタッフ)という表現もあります。


在来のシンクタンクはその厳密な定義があるわけではなく、シンクタンクを名乗ったものがシンクタンクであると言われるほどです。

また、○○党系のシンクタンクといわれるものが存在するように、ある方向性を前提として後付けの議論を展開し、シンクタンク同士の結論が対立することもありえます。

そこには到達しうる成果物の品質の限界が見て取れると言ってよいでありましょう。


われわれの技術的・理論的開拓と共に一九八五年から稼働するニュータイプのシンクタンクは、実務的な意味での最善性を追究する機能を備えたことで、在来一般のブレーン機構が到達しうる成果物の品質水準を画然と越えたことから、やがてスーパーシンクタンクと呼ぶようになりました。


すなわち、われわれが専門用語として扱うスーパーシンクタンクの中核要件は、特別に大規模とか高水準といった相対的な特徴ではなく、実務的最善性の追究機能の存在にあります。

在来型では、高々「有効策」を目指してきたものを、「最善策」を捉えうる機関へと進化させたものともいえます。


実務的な意味で「最善性」を期待できるような方策を立案することは理論的・技術的に可能か、また最善性の検証方法が見つかるのかということについては、長らく未解明でしたが、研究の結果、ある構成要件が整えばそれらが可能になるという点の見いだされたことが、スーパーシンクタンクの概念提起の背景にあります。


(旧メッセージナウ2009年10月29日記事より)