スーパーシンクタンク(その2)  2009.11/1

具体的には、「適動設計」と名付けられた軸となる手法に即して作業が進められること、「IST」と呼ぶ技術を切り札として備えていることが二大構成要素となります。

すなわち、スーパーシンクタンクは、ISTと適動設計を実践する作業体をいいます。

スーパーシンクタンクに関しては、名乗ったものがそうだというような混迷は避けたいところであり、初期における事例の開発・実践者としてその該当要件を提示することは意味があると考えています。


「適動設計」とは、問題解決の分野で、とくに問題分析の仕組みにおいて卓越した、革新性のある手法であり、段階の踏み方に関する新理論を踏まえた特有の過程構成(考程)を特徴とします。

適動設計は、正則型とされる条件を満たした理念の確保によって、最善性追究機能を備えうる点が重要で、そうした本格水準に至った状態をもってスーパーシンクタンクの要素と見なすことができます。

この要件に関する知識を提供するのは、理念学ならびに最善学と名付けた領域です。
(拙著「企業理念」、「最善の研究」参照)


「IST」とは、

Information Synthesis Technics
(情報統合技術)

のことで、考究の素材となる言語データの情報要素を極めて誤差の少ない形で濃縮化・本質化し、妥当性の高い新認識の形成に貢献する、技法の集合体です。

ISTは形式論理を越えた情報集約を可能とするもので、東洋的な超論理的思考を技術化したものとも考えられます。


「適動設計」、「IST」は共に、はる研究院が開発して応用に供し技術人材の養成に努めてきたものです。


スーパーシンクタンクの高度な知的生産機能による創造的成果物に繰り返し触れると、その内容に別格の安心感を抱くようになります。

「多様な意見」や「議論の徹底」といったものの先に漠然と答えを期待することも多くあったかつての時代とはまるで違う、質の飛躍が実感されるのです。


平行線のように交わることがないと思われてきた議論に収束をもたらす効果も大です。

そのことは、多数決の原則のもとで、ときに賢明でない選択が発生することの防止にも大きく貢献するため、民主主義のあり方にも、より成熟的な新段階を開くでありましょう。


(旧メッセージナウ2009年11月1日記事より)